第90回日本ハンセン病学会総会・学術大会

ご挨拶

第27回コ・メディカル学術集会会長

 
 
 

第90回

日本ハンセン病学会総会・学術大会 会長

国立療養所菊池恵楓園 副園長  野上 玲子

 
 

 このたび、第90回日本ハンセン病学会総会・学術大会を「過去そして今を、未来に」をメインテーマとして、2017(平成29)年6月9日(金)~10日(土)、国立療養所菊池恵楓園内、恵楓会館において開催させていただくことになりました。

 本学会は、日本医学会の分科会として発足し、ハンセン病の基礎研究や臨床医学、さらに国際協力、社会科学に亘る学際的な研鑽の場を提供してきました。国内におけるハンセン病の新規発症がごく少数となった現代においても、先端の基礎医学研究や海外の状況は今なお大きな学術的関心事であり、また、歴史、医学史、民俗学などに係る人文社会科学系の研究者とも共同研究の道が開かれつつあります。

 風化させてはならないハンセン病の歴史、現在に繋がる医療技術の推移、そしてハンセン病研究に何らかの関係を持つわれわれがこの時代を共に生き日々を重ねている「今」を未来に伝えることの意義に思いを致し、今回のテーマといたしました。人類の未来への教訓として、これらの全てを歴史資料として将来に残しニュートラルな視点でのさらなる評価に委ねる、すなわちハンセン病アーカイブズの理念をめぐって、シンポジウム「ハンセン病アーカイブズ構築のこれから」を企画します。関連の招請講演とともに、ご期待ください。

 最終日6月10日の午後は、久々の開催となる市民公開講座(入場無料)を同じく恵楓会館にて開催します。公開講座第1部では、熊本大学顧問・名誉教授、小野友道先生による講演「ハンセン病の軌跡-今も続く差別と苦しみ-」、第2部では障碍者や世界中の傷ついた心の持ち主に「いのちの色を余韻に響かせて・・」ハープ演奏を届けるハープ奏者池田千鶴子氏に出演をお願いしました。お楽しみに。

 平成28年熊本地震では、全国の皆様から温かいご支援の手を差し伸べていただきましたことに、深く感謝申し上げます。会場としている恵楓会館の損傷は幸い軽微にとどまり、予定通りの開催に向けて準備を開始することができました。昭和26年竣工の旧事務本館(社会交流会館)や、ミス・ハンナ・リデルの回春病院から昭和16年当園に移築された国の登録有形文化財「日光回転家屋」も見事に大地震に耐え、ご観覧いただくのを待っています。多数の皆様がご参会くださいますよう、一同心よりお待ち申し上げております。